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納札(おさめふだ)は言うなれば、お遍路さんの名刺のようなものです。
札所をお参りした際に、本堂と大師堂へそれぞれ1枚ずつを納めます。
また、お遍路の道中でお接待を受けた時に挨拶の意味も兼ねて納札を
相手に渡す慣習もあります。
「具体的に本堂や大師堂のどこへ納めればいいのだろうか。」と、
初めての方は不安に思われるかも知れませんが、
実際に札所に参ってみれば、やり方はすぐにわかると思います。

【一般的な納札入れ】 【このようにすぐに判る場所にあるのが普通です】
納札を納める時には、お参りした日にちと住所・氏名を表の面に、
お願い事を裏面に記入します。
ご自宅で記入を終えてしまい、現地の札所では納めるだけの状態に
しておかれるお遍路さんの方がほとんどです。
この時、日付を“吉日”と記入しておけば、(例)平成十ニ年五月吉日
使わなかった納札を同じ月であれば次回のお参りの時に使用できるので、
お奨めの方法です。
住所に関しては、お寺に納めるものですから、詳しく記入する必要は
全くありません。
例えば町名までの“愛媛県松山市湊町”のような書き方で十分です。

【住所は詳しく書かないのが良い】【錦色と金色の納札の一般販売はありません】
裏面に記入するお願い事については特に決まりはありません。
以前にされたことのある質問で「病気で動けない父の願い事も
一緒に書いていいのか。」というものがありました。
もちろん、問題ありません。
納札は巡拝した回数(八十八ヶ所を全て巡られた回数)で
使用する色が変わります。
50回目以上から99回目が金色、100回目以上からは錦になりますが、
一般的に販売はされていません。
霊場会本部公認として許可をもらう必要があります。
例えば金色の納札を手に入れたいと思う方は、50回以上の巡拝を
証明する納経帳を札所住職に提示して検閲承認を受け、
推薦されてから申請の手続きを取ります。
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